熱中症に注意しましょう

 

今年もまた暑い夏が来ました。じめじめした梅雨が明けると本格的な夏の到来です。

 

私くらいの歳(アラ・シックス)になって、若かった頃の記憶を呼び戻そうとすると、私の場合、必ずと言ってよいほど“ぎらぎら太陽がまぶしい真夏の風景が背景となります。それほど若い頃のたぎるようなエネルギーとこの季節がシンクロしているのだ、と思います。

 

 さて、そんな躍動感あふれる季節ではありますが、昨今では「熱中症」により重症化する人、場合によっては生命を失う人も多く発生しています。厚生労働省の報告によると、昨年の7月~8月の2ヶ月間で、熱中症により入院した重症患者数は全国で776人にのぼるとのことです。各道場の稽古においても熱中症には十分に注意していただいていると思いますが、関係者、特に指導者はその応急措置方法について十分理解し、対応力を身につけておいてほしいと思います。

 

 

 

そもそも熱中症とは、「体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かくなったりして、体温の上昇・めまい・けいれん・頭痛などのさまざまな症状を起こす病気」と説明されていますが、その症状の特徴により対処の仕方が異なることに留意する必要があります。そして、何よりも重要なことは、症状が重く、対処法に迷うようなら、躊躇なく救急車を呼ぶことです。

 

 

 

 

症状 と 対処の基本

熱失神

めまいや冷や汗、一時的な失神がみられる熱失神は、脳に血液が回りにくい状態です。足を頭より高くし、涼しい場所で休ませましょう。

熱けいれん

手足のけいれんに加えて筋肉痛などを覚える熱けいれんは、大量に汗をかいたあと、水だけ飲んで塩分を取らなかった場合に起こります。

応急処置としては、塩分の補給をしましょう。1リットルの水に9gの食塩を入れた生理食塩水を作り、それを飲むことで回復します。

熱疲労

全身の倦怠感嘔吐、頭痛がみられたら、熱疲労を疑います。

大量に汗をかいたことにより重症の脱水症状を起こしているため、塩分を含んだ水分を補給してください(スポーツドリンクで構いません)。また、脳に血液が回りにくくなっているため、熱失神と同じように足を頭より高く上げて休ませます

熱射病

体温が高く、不自然な言動や意識障害がみられる熱射病は、命の危険がある重症の熱中症です。体温が異常に高くなってしまっているため、できるだけ早く体温を下げる必要があります。熱射病を疑ったら、すぐに救急車を呼びましょう。到着するまでの間、首や腋窩部、鼠径部に氷や保冷剤などを当て、体温を下げます。

 

ウエブサイト いしゃまちhttps://www.ishamachi.com/?p=7676より抜粋

 

 

 

私も含め、年配者のなかには「自分たちの時代は、練習中に水を飲むことを禁じられていた」ということを誇らしげに語る人もいますが、やはり、それは時代錯誤な話です。

各道場での稽古は、健康と安全に留意して、みんなで元気に夏をエンジョイしましょう。

 

 

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日本空手道錬聖会

 

会長 森 拓生